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芥川龍之介「桃太郎」の読書感想文





芥川龍之介の桃太郎という作品に出会ったのは高校1年生のときでした

学生時代の読書感想文が大嫌いで
というか意味を見出すことができずに
いつも適当に書いては終わるの繰り返しだった
(とはいっても本を読むことは大好きだったのだが)

何か短く、すぐに読み終わる作品がないものかと探していた

ちょうど読んでいた本が
芥川龍之介の河童で
その中にあった短編の一つにこの桃太郎があった

私の記憶ではこの作品10ページもなかったと思う。
学生の私はページをみて完全勝利を確信(笑)

きたーーーー

と心の中で騒いだものです。


その時に思ったことは
 何よりまず短いこと
 何読んだと聞かれて「桃太郎」とネタになる
この2つが思い浮かんだ。

切り返しも考えて、あの有名な芥川龍之介が書いたやつだ!
と豪語するようにしていた。

まぁ、同級生からは突っ込まれたけど、
さすがに国語の先生は知っていあたのかやる気がないのかスルーでした。。。





メインの感想ですが、一言で言うと重い・・・でした。

短いからといって完全にナメテました。

しかも、何がいけないかって
童話の桃太郎のイメージがあまりも強すぎて
高校生の私にはうまく受け止めることができませんでした。

戦争を背景にして書かれていることは間違いないのでしょうが
童話の桃太郎のように、
悪い鬼をやっつけてハッピーエンドというような簡単な結末ではないんです。
m7.jpg
 ※http://www.geocities.jp/fujimoto_yasuhisa/bunsho/momotarounogimon.htmより引用

役割からいくと鬼が善良で桃太郎が極悪人のように書かれています。

鬼からの視点というか、うまく視点をズラして
一方的な物の見方にならないように諭されているようにも感じます。


善悪の判断が難しい戦争が見えてきます。

なぜか私は
「一人殺すと殺人者だが、百人殺すと英雄になる」
という言葉を思い出しました。


いろいろな思考をぶつけて高めていくことが大切なのでしょうが
受け止める側の器も大事になりますね。

年齢を重ねて読み返すと大変味がある作品だと思います。



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